今日も私は通い慣れた道を行く。 この道を通るようになって何回目だろう。 私はいつの間にか、あの少年店主ジュリオの言う通り、常連客になっていた。 予言は大的中というわけだ。 まぁ、本の種類は図書館よりも豊富だし、何より …
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「さぁてね」 あとはー、と言いながら少年は私の前に十冊程本を重ねると店の奥を指差した。少年の黒髪が揺れる。 促されるままに視線を向けると、そこには柔らかそうなソファとテーブルがあった。 「そこにソファとテーブルあるだろ …
「へぇ、面白い事調べてるんだ。レポートかなんか?」 そうだ、と頷くと少年は暫く何事か考え始めた。しかしすぐに、ぽんっ、と手を叩くと近くの本を数冊、私の前に積み上げ始めた。何事か、と戸惑う私は少年に尋ねる。 「この本は? …
確かにこの店の品揃えは目を見張るものがあった。専門書から名もない人が出した論文まで何故か置かれている。さらりと眺めてみただけだが図書館よりも品揃えは良い。これなら探しているものもあるかもしれない。気合いを入れて、私は再 …
中に入ると螺旋階段があった。 なんだこの店は。 そのフロアにあるのは、私が入ってきた入り口と簡素な書棚とソファくらいだ。しかし古本屋独特の匂いが漂っており、やはり本はどこかにあるのだろう。 この部屋にないとすると、 …
狭い路地を歩いていると、まるで自分がネコになったような気になる。 そっと足を忍ばせて……。 別に忍ばせる必要など無いのだが、誰も居ない路地を歩くと私の足音だけが響いてどうにも居心地が悪い。 だから必然的に足音を消 …
大通りに入っても、やはり人通りは少なかった。 通り沿いにある店の入り口もがっちりと閉められていて、なんだか入りにくい。 しかし、今日は日用品を買いに来た訳でも、花を買いに来た訳でもない。 私はレポートに必要な本を …
いつものように、街への近道となる公園を突っ切ることにした。 今日はいつもより寒く、散歩する人も少ない。 春などは日向ぼっこをするひとや、ベンチに座って居眠りをする人、芝生で遊び回る子供達などが見られ、そこはとても賑 …
私は資料を積み上げて、レポートの作成をしていた。 どうして、これ程大量に資料が必要なものを題材に選んでしまったのか……。 今更ながらにそれを後悔していたが、一番やりたかったものなのだから仕方がない。 「あ、あれ …