202003/12 1-2 古書店シリーズ | 古書店シリーズ【第一章】 | 長編 いつものように、街への近道となる公園を突っ切ることにした。 今日はいつもより寒く、散歩する人も少ない。 春などは日向ぼっこをするひとや、ベンチに座って居眠りをする人、芝生で遊び回る子供達などが見られ、そこはとても賑やかだ。 しかし今は私とベンチに腰掛けた一人の老人以外、この公園には見あたらない。 閑散としている公園は何処か淋しい印象を与える。 寒さが心の中にまで染みわたって、そんな気を起こさせるのだろうか。 私は軽く身震いをすると、足早にその公園を通りすぎ、街の大通りへと向かった。 BACK<>NEXT WEB拍手